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愛媛県を発着地とする平成6年度のTSL適合貨物(下記注)の量は、往路38万トン、復路41万トンであり、先に示した必要貨物量(22.5万トン)を満たすためには、58.7%(往路)ないし54.5%(復路)と高い転換率を必要とする。

四国全域に対象を広げると、必要とされる転換率は16.5%と先の転換率予測(25%)よりも低く、可能性がある。

四国全体を集荷圏とする必要があるものの、将来において貨物量が増大していくとすると、貨物量からみた可能性はさらに広がる。首都圏への距離からみて松山港よりも有利な徳島・高知の貨物まで引き寄せる必要があり、陸送と比較して発地・着地間の時間がどの程度となるかが問題となろう。

なお、利便性を高めるには複数便の運航が理想的ではあるが、四国全体に集荷圏を設定しても1日2便の確保は難しい。

■TSL適合貨物の流動量(対京浜葉)                    単位:トン、%
  現行貨物量(A) 必要量(B) TSLへの転換(B/A)
発貨物 愛媛 383,534 225,000 58.7
四国計 1,364,578 225,000 16.5
         
着貨物 愛媛 412,560 225,000 54.5
四国計 1,361,936 225,000 16.5
資料:運輸省「地域貨物流動調査平成6年」より作成
(注)自動車、TSL適合貨物のみ

(注)適合貨物は次の通り

農水産品、鉄鋼を除く金属機械工業品、セメント・石油製品・石炭製品を除く化学工業品、軽工業品、雑工業品、金属くず・動植物性飼肥料・廃棄物を除く特種品、その他(積みあわせ貨物など)運輸省「貨物地域流動調査」の32品目分類による

【所要時間(推計)】

港間距離とTSLの仕様からすると、TSLによる国内外主要港湾との間の所要時間は次の通り。

相手地を関東とした場合、東京湾は船舶の往来が激しく高速船の湾内航行は難しいため、東京湾口を相手地とみなす。松山 神戸間フェリー利用の場合の20時間に対して、TSL利用14.5時間と、トラックよりも若干有利だが、瀬戸大橋経由16.0と比べても若干の強みを持つ。従って、急ぐ貨物においてはトラックよりもわずかに強みを持つ。南九州方面では高速性がフルに発揮できるが、需要そのものは小さい。

所要時間からみて、夕方集荷、午後7時発、翌朝9時半相手ターミナル着、午前中配送というルートの設定も可能である。

 

 

 

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